今話題のiPS細胞とは?

5月 31st, 2011 by admin

京都大学山中伸弥教授のiPS細胞に関して世間の注目している。ニュースや、新聞の社説などでも大きくとりあげられている。
世間に大きなインパクトをあたえるiPS細胞 induced pluripotent stem cell(人工多能性幹細胞)の発見は何を意味するのか?

少し前に韓国ソウル大学でのES細胞のデータねつ造事件が記憶に新しい。韓国のグループは、卵子の核だけをいれかえて、移植されるヒトと同じ染色体をもつES細胞を作ろうというものであった。これは倫理的な問題、ねつ造の問題で新しい報告は発表されていない状態である。この件で再生医療の道が閉ざされてしまう雰囲気もあったが、ここにきて患者自身の皮膚を使用し万能細胞を作るiPS細胞の出現により倫理的問題も大きく軽減された。

 ヒトの皮膚の細胞に少量の遺伝子を導入すると、細胞の形態が変わり、ES細胞のように分化する能力を獲得した細胞が出来る。これがiPS細胞である。

iPS細胞を使って、組織や臓器、器官の再生や機能の回復を行うことができれば、免疫的な拒絶反応なども克服できるでしょう。

再生医療は、私たちが本来持っている自己再生能力を最大限に活用し、負担を和らげることのできる無限の可能性を秘めた医療なのです。
 

再生医療により広がる可能性のある医療

皮膚
軟骨
関節
神経

心臓 など

胃癌

5月 22nd, 2011 by admin

アタック25などでダンディーなお父さんの印象の児玉清さんが、胃がんのため16日に亡くなり、告別式が21日、東京・護国寺桂昌殿でしめやかに営まれた。
政治家の鈴木宗男さんや野球のソフトバンク監督(14年間監督)の王貞治さんなども、胃がんを罹患していますが、胃癌の罹患数は年間約10万人で悪性新生物の中で最も多く、癌死亡数は肺癌に次いで2番目に多い癌です。
近年ピロリ感染との関連が明らかになりました。
症状は胃もたれや胃部不快感、胃痛など。しかしこれらの症状は進行癌にならないと出現しないことが多い。
内視鏡の進歩により癌の初期段階では内視鏡での治療が出来るようになった。浅い癌であれば、大きな病変でも内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術で一括切除できる。また、進行癌でも腹腔鏡手術、開腹手術などで治療効果は高い癌です。久留米大学病院消化器病センター、熊本セントラル病院で内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術治療をしてきたが、10年前の導入初期の治療は内視鏡先端の電気メスで一回に切除できる幅が狭かったり、切りにくいこともあり、治療が5~10時間ということもあった。
しかしながら最近ではデバイスの改良により数センチの病変であれば、30分~1時間程度の時間で一括切除、治癒が可能となってきています。
胃癌は早期発見できれば治癒できる疾患です。早期発見のためには定期的な検診が必要です。問題となるのは、カメラ時の嘔吐反射や胃部不快感などによりカメラは敬遠されていることです。
当院では内視鏡検査に伴う苦痛を軽減する極細スコープによる経鼻内視鏡検査を導入により食道癌、胃癌の早期発見、早期治療を目指しています。

 

 

コレステロール大丈夫?

5月 19th, 2011 by admin

コレステロールが高いのを放置しておくと血管にコレステロールが付着しせまく、もろくなります。これを動脈硬化といいます。そのままさらに放置すると、ある日突然血管が詰まり血液が流れなくなります。心臓で詰まれば心筋梗塞、脳で詰まれば脳梗塞になります。これらを防ぐためにはどうしたらよいのか?

食事、運動、たばこは?

健康診断などでコレステロールが高い人は症状がないからといって放っておいていないでしょうか?
LDL(悪玉)多いのが問題   多いと血管壁に付着し動脈硬化の原因となります。
HDL(善玉)少ないのが問題  血管壁に付着したLDLコレステロールを除去します。
中性脂肪 多いのが問題   肥満となり生活習慣病の原因となります。
 

診断基準  (大規模臨床試験より決定されています)

LDLコレステロール 140以上
HDLコレステロール40未満
中性脂肪 150未満
 

コレステロール異常を放っておくと?

悪玉コレステロールが多量にあり、血管に付着し、善玉コレステロールが掃除しきれない状態になると、LDLコレステロールが血管にたまります。酸化され超悪玉コレステロールという状態となり、白血球の一種であるマクロファージがやってきて掃除しようとするが、掃除しきれないでマクロファージが死亡します。その状態のことをプラークといいます。プラークが成長しなんらかのきっかけでプラークが破けるとそこに血小板が集まり血栓を作ります。心臓の血管でおこると心筋梗塞、脳でおこれば脳卒中を起こします。
日本人の死亡原因の2位、3位を心疾患、脳血管疾患が占めております。
動脈硬化による病気では介護を要することが多くなり、予防が重要と考えられます。
 

検査で状態がわかるか?

頸動脈エコー検査をするとプラークの状態がわかり、動脈硬化の進展状態が分かります。
侵襲のない検査であり、脂質異常症のある患者さんには積極的に頸動脈エコーを勧めています
 

治療は?

基本的には生活習慣の改善の指導を行います。これで検査値の改善がない場合は薬による治療を開始します。
 
  • 加齢(男性45歳以上、女性55歳以上)
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 喫煙
  • 冠動脈疾患患者が家族にいる
  • 低HDLコレステロール(40以下)
 
これらのリスクによって目標とするコレステロールの値を決定します。
 

HDLコレステロールが低くても問題なのか?

運動不足、肥満、生活習慣によりHDLコレステロールが低くなります。
LDH/HDLの比率が大事であり、この値を1.5未満にすることが大事です。
 

生活習慣改善とは

禁煙(これが非常に大事!)
食生活の是正  (食べ過ぎない、栄養バランスの適正化 肉より魚、食物繊維多く、アルコール25g以下)
身体活動の増加  (どんなスポーツでもok 日常的にできることより、週3回以上が理想的)
適正体重の維持  (体重計に乗る習慣をつけましょう)
 
脂質異常症がみつかった場合は医療機関を受診しましょう。

心房細動 プラザキサ

5月 13th, 2011 by admin

心房細動の患者では心臓の中で血栓が出来、それが脳に飛んで心原性脳塞栓を起こし患者の予後を悪くします。それを予防する薬ワルファリンは血中濃度をモニターのため、頻回の採血をしたり、納豆やクロレラがワルファリンの効果を減弱させるため、患者に食事制限をしないといけない薬であった。直接トロンビン阻害薬ダビガトラン(プラザキサ)は食事制限の必要がなく、血中濃度のモニターの必要性もありません。しかもワルファリンより脳塞栓予防効果が高いことが証明されました。

5月の時点では2週間投与しか認められておらず、なかなか使いにくい状態。価格が高いのも問題であるが、出血のリスクも低下し今後ワルファリンに変わる薬として多く使われることになるであろう。

大牟田医師会、内科小児科医会講演会

「心房細動における新しい抗凝固療法への期待」       

                               宮崎大学 今村卓郎先生

心房細動と脳卒中の関係

心房細動による心原性脳塞栓は非常に予後が悪い病気である。1年での死亡率は約50%であり、もし助かっても重篤な後遺症を残します。心房細動があると、脳卒中のリスクが5倍ほど発症リスクが増加します。年間の脳卒中発症率は3-5%である。発作性の心房細動は持続性心房細動同様に脳梗塞のリスクになります。

CHADSスコアが増加するにしたがい脳卒中のリスクが増加します。

C 心不全      1点

H 高血圧      1点

A 高齢者 75歳以上 1点

D 糖尿病      1点

S2 脳卒中、TIAの既往 2点

ワルファリンの心房細動の有用性

ワルファリン内服により脳卒中の頻度を低下させることができます。75歳以上、心不全、高血圧、%FS25%以下、糖尿病などCHADS2スコアでは、(1)~2スコア以上あればワルファリン推奨。

70歳未満では2-3を目標、75歳以上では1.6-2.6を目標

リスクを持たない場合は60歳未満は抗凝固療法は不要、75歳以下では抗血小板薬、75歳以上ではINR:1.6~2.6を目標

アスピリン投与は心血管イベントの抑制効果のエビデンスは証明されていない。

ワルファリン服用が必要な患者は多いが、服用している人の服薬コンプライアンスは悪い。

ダビガトラン(プラザキサ)

新しい経口抗凝固薬が50年ぶりに発売されました。

プラザキサは直接トロンビン阻害薬で非弁膜性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身塞栓症を抑制する効果効能があります。

RE-LY試験によると、プラザキサの特性は通常量は150mgx2/日でワルファリンより高い予防効果を示しています。

中等度の腎障害(CCr30-50の患者)は110mgx2/日投与です。

安全性に関してはプラザキサはワルファリンに比較して頭蓋内出血のリスクを低減させた。

利便性についてはプラザキサはモニタリングが不要であり、薬物相互作用が少なく、食事制限もない。