Archive for the ‘内分泌代謝’ Category

血糖値異常

2012-06-13

 

検診での血糖値異常を指摘された場合はどのような対応をするのがよいのだろうか?
空腹時の血糖値が110mg/dlだったとしよう。少しだけ基準値をオーバーしているが、健診結果でも経過観察や栄養指導となることが多いのではないか。
最新の糖尿病ガイドラインでは下記のようにブドウ糖負荷試験(75gOGTT)が勧められている。
ブドウ糖負荷試験とは絶食後、空腹時のまま来院していただき、75gのブドウ糖の入った甘い飲み物(トレーランG)を飲用していただき、その前、30分、60分(90分)、120分で採血をして、血糖値、インスリンの推移をチェックする検査だ。
 
 

75gOGTTが強く推奨される場合(現在糖尿病の疑いが否定できないグループ)

1 空腹時血糖110-125mg/dl
2 随時血糖が140-199㎎/dl
3 HbA1c(JDS値)が5.6-6.0%
 

75G OGTTを行うことが望ましい場合(将来糖尿病発症のリスクが高いグループ)

①高血圧、脂質異常症、肥満など動脈硬化のリスクをもつもの
②空腹時血統値が100-109mg/dl
③HbA1c(JDS値)が5.2-5.5%
④濃厚な糖尿病の家族歴や肥満が存在するもの
 
 
このブドウ糖負荷試験の結果により医師は、正常、境界型糖尿病、糖尿病の診断が出来るだけでなく、将来糖尿病になる可能性があるか、インスリン抵抗性があるかなど重要な情報を得ることができる。それにより今後の経過観察の方法を検討することが可能となる。
血糖値異常を指摘された場合上記のガイドラインに従い、しっかりと検査をうけましょう。

糖尿病DPP4阻害薬

2011-08-24

糖尿病患者の大部分はインスリンに対して抵抗性をしめす2型糖尿患者です。

治療のの目的は,、血糖値をできる限り正常値に近づけるとともに、高血圧、肥満、脂質異常症などを是正し糖尿病合併症、心血管イベントを抑制することです。
 
そこで重要かかせないのは、ライフスタイルの改善です。
 
多くの患者は自覚症状がなく、高血糖の患者でさえも、治療をやめてしまうこともあります。
糖尿病で最も重要なのは患者自身が「糖尿病について知る」ことです。
 
当院ではその手助けをするため、診察時スライドを使用しての説明やDVD等を使用し
患者さん自身に糖尿病について勉強をしていただいています。
 
8月24日に大牟田ガーデンホテルで糖尿病web liveミーティングがありました。
DPP4阻害薬は低血糖がおこりにくく、膵臓保護作用があり、体重増加をきたさない薬剤として期待されています。
その中でDPP4阻害薬の中でも
ビルダグリプチンは血糖変動が少ない糖尿病コントロールができる可能性があるとの講演がありました。
多くの糖尿病治療薬が使用できるようになり、糖尿病治療の幅が広がってきています。
 
 
 

「糖尿病治療最前線」講演抜粋

大阪府済生会病院 西村治男先生
インクレチンの働きを利用する薬

DPP4阻害薬

シタグリプチン(ジャヌビア・グラクティブ)
ビルダグリプチン(エクア)
アログリプチン(メシーナ)
 
 
糖尿病治療薬に反応しない患者はどのような人か?
1コンプライアンスが悪い
 食事・運動・服薬
2投薬用量・併用薬が的確でない
 
3インスリン作用・分泌能が低下している場合
 インスリン抵抗性が強い
 高血糖が長い
 インスリン依存型(血中CPRが低い)
 
ビルダグリプチン
  • 血糖値変動が少ない血糖コントロールが可能
  • 遷延性の低血糖を起こしにくい。
 
糖尿病コントロールは血糖変動が最小になるようにコントロールすることが重要となってきている。

大牟田糖尿病講演会

2011-07-31

 

大牟田市医師会学術講演会(オームタガーデンホテル)で開催された。

メトホルミンは日本でも1961年に発売され、糖尿病の治療薬として長期間使用されているが、発売当時は乳酸アシドーシスの問題などより、投与量が半減され適応も制限があり、一般臨床医のなかでは第一選択薬として使用されてこなかった時代がありました。

1990年頃より、二重盲目試験(臨床で高く信頼できる試験)で心血管イベントを抑制したり、肥満を伴う2型糖尿病において有用との報告があったことより、最近になり再注目されてきています。

特に米国糖尿病学会では2型糖尿病の基礎治療薬との位置づけであり、日本での評価も高くなってきています。

最近の糖尿病の話題はDPP4阻害薬であるのは間違いはないのですが、糖尿病での治療有用性でのエビデンス報告に関して言えばメトホルミンの方が多く、今後積極的に使用していきたいと考えさせられた。

「病態に応じた2型糖尿病の薬物療法」 

久留米大学 山田研太郎先生
 
要旨
  • 最近糖尿病の治療薬が続いて発売されている。メトグルコ、DPP4阻害薬のジャヌビア/グラクティブなど。
  • DPP4阻害薬の利点は体重増加がなく、低血糖が起こりにくいなどがある。3つの製剤が発売されているが、ジャヌビア/グラクティブは腎排泄という性質がある。
  • シタグリプチンはHbA1cを平均0.7%下げた。しかし反応不良例がある。またSU薬とDPP4を阻害薬を併用すると軽度体重が増加する傾向がある。SU薬と併用すると低血糖が怒ることがある。
 
GLP1受容体作動薬
 
  • リラグルチド(ビクトーザ)は食事、運動療法、SU薬でコントロール不十分例には使用することが出来る。
  • インスリンからGLP1受容体作動薬への変更は、インスリン分泌機能が残存している必要があり、慎重に行われるべきである。
 
SU薬
  • アマリール:SU薬の中では血糖起こしにくい。高齢者、腎機能障害例には慎重に、3mgまでに留める。
 
 
グリニド薬
  • 食後高血糖抑制
 
糖尿病アルゴリズム
ライフスタイル改善+メトホルミン→メトホルミン+SU薬(非肥満)、メトホルミン+DPP4阻害薬(肥満)→ライフスタイル+メトホルミン+基礎インスリン→ライフスタイル+メトホルミン+強化インスリン
 
メトホルミンに関して
  • メトホルミンは空腹時血糖が良ければ大体安定している。
  • 糖尿病患者の死因は悪性新生物が34%と多い。
  • メトホルミンで発癌リスクが低下する。
  • メトグルコ(250)500mg2Tより開始、2-3回/日、維持量は750~1500mgとする。
インスリンに関して
  • インスリンHbA1c8%以上はインスリン積極的適応有り
  • 持効型インスリン4-6単位1回注射(朝前、夕食前、就寝前)メトホルミンは継続は原則、SUは半分以下に減量、→インスリン強化療法へ

脂質異常症薬シンポジウム2011

2011-06-20

クリニックでの診察は生活習慣病の患者さんが多いがその中で「ガイドライン目標値まで悪玉コレステロールや、善玉コレステロールが改善している患者さんはどのくらいの率なのだろうか?」と、考えてしまう。最近脂質異常症の研究会が多く開催されているが、どの研究会においても「LDL-Cの低下が心血管系のイベント(心筋梗塞や脳梗塞など)を抑制する」というエビデンスが蓄積されてきており、特に善玉コレステロールと悪玉コレステロールの比が重要という報告も多くなってきている。

人間のコレステロールは他の哺乳類と比較しても4倍ほど高く、多くの器官が形成される新生児の血液のコレステロールが成人の1/4ということを考えても、成人の悪玉コレステロールが高いと良いことではないことが分かる。

特に他のリスクをもつ患者さんや糖尿病の患者さんにとっての脂質異常症は心血管イベントを起こす可能性が高くなるため、積極的に下げることが必要であると再認識させられた。「高血糖の記憶」というのは血糖が高い時期が一度ある程度の期間あれば、その後血糖コントロールを厳格に行っても血管合併症が起こってしまこと。このことがわかり、合併症を防止するには他のリスクも厳格にコントロールする必要があるということが示された。日常臨床の場で現在わかってきているエビデンスやその根拠などをわかりやすい形で患者さんに説明し、納得して生活習慣の改善、内服療法強化について検討していきたい。

 

激増する糖尿病合併高コレステロール血症患者へのアプローチ

(特徴的な脂質代謝異常にいかに切り込むか)

 
 

シンポジウムの抜粋

 
河森隆造先生 順天堂大学
  • 糖尿病の死亡率は悪性新生物の死亡率とかわらない。
  • 糖尿病患者は動脈硬化の起こるのが10-15年早い
  • 糖尿病患者でLDL-Cを下げれば顕著に心血管イベントを抑制するのが一番重要。70~120未満が目標
 
林登志雄先生 名古屋大学 (疫学研究)
  • 後期高齢者の死亡率は癌の1.6倍
  • 日本ではADL低下期間 約7年
  • 糖尿病に罹患されている患者は15年心筋梗塞を起こす年齢が若い。
  • HDL-Cが低いと動脈硬化性疾患の率が増加する。
  • 虚血性心疾患のリスクファクターで高齢者ではコレステロールと強い関連が見られた。
  • LH比が2を超えると虚血性心疾患の可能性が高くなる。
  • LDL-Cのガイドラインを欧米のものに変更した場合、4割心筋梗塞が減少する可能性がある。
  • LDL-C/HDL-C1.5以下にすると動脈硬化性疾患を半数以下にすることが出来る。
 
山岸昌一先生 久留米大学
  • 治療満足度をあげる薬剤とは?
  • 高血糖の記憶:過去にどのくらい高血糖にさらされていたかが血管合併症に関係している。
  • EDIC-DCCT:血管合併症が一度起こってしまうと、なかなか代謝されず血管組織に長く留まり、後から血糖コントロールを強化しても、高血糖の記憶がある限り合併症発症率が上昇してしまう。
  • クレストールはLDL-Cを下げる。
  • HDL-Cが低下したり、逆転送機能が低下すると動脈硬化疾患の率が増加する。
  • クレストールが逆転送を改善する。糖尿病患者の心血管イベントを抑制するためにはLDL-Cを厳格にコントロールする必要がある。

肥満と肝臓病

2011-06-16

肥満や生活習慣病、アルコールなどにより脂肪肝になる人が増加しています。脂肪肝には原因によりアルコール性、非アルコール性(NAFLD)に分けられ、さらにNAFLDは単純性脂肪肝とNASHに分けられます。

NAFLD

(nonalcoholic fatty liver disease, 非アルコール性脂肪性肝疾患)

肥満や生活習慣病によりおこった脂肪肝のこと

NASH

(nonalcoholic steatohepatitis, 非アルコール性脂肪性肝炎)

炎症や肝細胞障害をおこし、肝硬変や肝細胞癌に進行することがあります。

 

NAFLDの検査・診断

脂肪肝や超音波検査で診断します。肝機能異常は肝炎ウイルスでも起こってくるため肝障害の原因ウイルスがないかの検査も必要です。

NASHの診断は肝臓の組織をとる検査が必要です。

 

治療

NAFLDの治療は食事と運動療法が中心となります。

病態に応じてインスリン抵抗性改善薬や抗酸化薬、ウルソなどの治療をします。

NASHは肝硬変に進行することがあり、注意が必要です。肥満は肝障害に促進的に働くためダイエットも重要です。

脂質管理

2011-06-16

H23年6月15日に大牟田ガーデンホテルでの研究会「心疾患治療における脂質管理の将来展望」コレステロール吸収阻害薬の可能性という題名で熊本大学准教授、杉山正悟先生による講演会がありました。

講演の内容のまとめ

  • コレステロールは冠動脈疾患、狭心症、心筋梗塞、心不全の原因となります。
  • 日本では、脳血管死亡が減少したが、心疾患による死亡は減少していない。
  • 冠疾患リスク患者では脂質異常改善薬(スタチン)は総死亡率を改善させる。(ジュピタースタディー)
  • 悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を50mg/dl以下にすることは心疾患イベントを半分にした。
  • 17万人の心疾患患者に対しスタチンで治療した研究では、LDLを積極的に下げることが大事と判明した。
  • 日本人の心疾患イベントはスタチン治療で抑制できる(MEGA suudy)
  • 冠動脈疾患後、糖尿病の患者で他のリスク1-2個以上の患者に関し日本のガイドラインではまだ甘い基準であり、欧米のガイドラインではLDL-C 70mg/dl以下に低下させることが重要と考えられている。
  • コレステロール吸収が亢進している患者では、スタチンによるイベント抑制効果が低下する。スタチンを増量すると副作用が増加するため、このような患者にはコレステロール吸収阻害薬の併用が効果的である。
  • 患者や医師がLDL-Cの値が理想になっていない状態でも良しとしていることに原因があるのではないか?
  • 高コレステロール血症を治療することによりハイリスク患者の心血管イベントを抑制動脈硬化病変を退縮、減少させることができる。

 

NASH患者に対するエゼチミブの効果

  • 生検で肝組織が改善している。45名の検査でも同様の結果がしめされた。
  • 脂肪肝がある人はエゼチミブの効果が期待されている。
  • エゼチミブは臨床研究で糖代謝に効果がある可能性が示されている。(動物モデルでGLP1を増加させる、膵細胞の保護作用)

ゼチーアが有効な患者

糖尿病、脂質異常症、脂肪肝、心不全

 

診療メモ

ガイドラインの目標値までコレステロールを低下させている率は高くはない状態です。脂質異常症の改善には食事療法、運動療法などによるライフスタイル改善が重要であり、摂取カロリーを決めて、腹八分目、1日3食ほぼ均等にする、間食をしない、寝る前に食べない、野菜を多くとるなどの食生活の改善も重要です。これらのことを診療の機会に説明させていただいています。しかしながら生活習慣を改善してもガイドラインの推奨する目標値にならないことがあります。

薬剤を検討するとき「医師の判断」、「患者さんの考え」などにより、薬の投与量が決定されるが、現在では目標管理値に到達していない患者さんが多い状態です。

循環器疾患診療では至適薬物療法がきちんと行われているか?ということでありそのことが、患者さんのためになるということを改めて考えると、リスクのある患者さんに対してはきちんと目標値まで下げる治療が重要というこを改めて認識させられました。

ゼチーアの登場により、脂質管理が副作用すくなくできるようになり、診療する上での薬剤選択の幅が広くなっています。

 

エゼチニブ

小腸コレステロールトランスポータ阻害薬のエゼチミブ(商品名;ゼチーア)は小腸壁で食事性及び胆汁性コレステロールの吸収を選択的に阻害します。

詳細な作用は、小腸からのコレステロール吸収の約半分がコレステロールトランスポーターであるNPC1L1により吸収されますが、ゼチーアはこのNPC1L1を特異的に阻害することによってLDL-Cを中心とする脂質異常を改善させます。

効果はゼチーア(10mg)を1日1回食後服用することにより血中コレステロールを約20%低下させ、動脈硬化惹起性のレムナントコレステロールの低下作用もあります。

そして、コレステロール合成阻害剤であるHMG-COA還元酵素阻害剤(スタチン)と併用することにより、血中コレステロールを強く低下させ、二次予防患者やハイリスク患者の治療には、スタチンの投与量を増量するよりもゼチーアを併用する方がLDL-C改善効果は大きいと報告されている。

コレステロール大丈夫?

2011-05-19

コレステロールが高いのを放置しておくと血管にコレステロールが付着しせまく、もろくなります。これを動脈硬化といいます。そのままさらに放置すると、ある日突然血管が詰まり血液が流れなくなります。心臓で詰まれば心筋梗塞、脳で詰まれば脳梗塞になります。これらを防ぐためにはどうしたらよいのか?

食事、運動、たばこは?

健康診断などでコレステロールが高い人は症状がないからといって放っておいていないでしょうか?
LDL(悪玉)多いのが問題   多いと血管壁に付着し動脈硬化の原因となります。
HDL(善玉)少ないのが問題  血管壁に付着したLDLコレステロールを除去します。
中性脂肪 多いのが問題   肥満となり生活習慣病の原因となります。
 

診断基準  (大規模臨床試験より決定されています)

LDLコレステロール 140以上
HDLコレステロール40未満
中性脂肪 150未満
 

コレステロール異常を放っておくと?

悪玉コレステロールが多量にあり、血管に付着し、善玉コレステロールが掃除しきれない状態になると、LDLコレステロールが血管にたまります。酸化され超悪玉コレステロールという状態となり、白血球の一種であるマクロファージがやってきて掃除しようとするが、掃除しきれないでマクロファージが死亡します。その状態のことをプラークといいます。プラークが成長しなんらかのきっかけでプラークが破けるとそこに血小板が集まり血栓を作ります。心臓の血管でおこると心筋梗塞、脳でおこれば脳卒中を起こします。
日本人の死亡原因の2位、3位を心疾患、脳血管疾患が占めております。
動脈硬化による病気では介護を要することが多くなり、予防が重要と考えられます。
 

検査で状態がわかるか?

頸動脈エコー検査をするとプラークの状態がわかり、動脈硬化の進展状態が分かります。
侵襲のない検査であり、脂質異常症のある患者さんには積極的に頸動脈エコーを勧めています
 

治療は?

基本的には生活習慣の改善の指導を行います。これで検査値の改善がない場合は薬による治療を開始します。
 
  • 加齢(男性45歳以上、女性55歳以上)
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 喫煙
  • 冠動脈疾患患者が家族にいる
  • 低HDLコレステロール(40以下)
 
これらのリスクによって目標とするコレステロールの値を決定します。
 

HDLコレステロールが低くても問題なのか?

運動不足、肥満、生活習慣によりHDLコレステロールが低くなります。
LDH/HDLの比率が大事であり、この値を1.5未満にすることが大事です。
 

生活習慣改善とは

禁煙(これが非常に大事!)
食生活の是正  (食べ過ぎない、栄養バランスの適正化 肉より魚、食物繊維多く、アルコール25g以下)
身体活動の増加  (どんなスポーツでもok 日常的にできることより、週3回以上が理想的)
適正体重の維持  (体重計に乗る習慣をつけましょう)
 
脂質異常症がみつかった場合は医療機関を受診しましょう。

動脈硬化検査のご案内

2011-04-23

日本の3大死因は「癌」「脳血管疾患」「心疾患」です。そのなかでも脳血管疾患と心疾患は血管の壁が厚く、固くなって弾力性が失われ、血管が狭くなってしまう動脈硬化が原因です。

動脈硬化を放っておくと・・・

脳出血:脳の血管が破れてしまう病気

脳梗塞:脳の血管がつまってしまう病気

狭心症:心臓を栄養する血管が狭くなって起こる病気

心筋梗塞:心臓を栄養する血管の血流がとまり心筋が壊死する病気

こんな方は注意!

動脈硬化が進みやすくなる状態。40歳以上で思いあたる方は検査を受けることをお勧めします。

動脈硬化測定の方法

検査方法はとても簡単です。

わずかな検査時間ですみます:実際に測定にかかる時間は5分ほどです。

血圧を測るのと同じ感覚です。:両手両足の4か所の血圧を同時に測定するだけなのでほとんど痛みはありません。

検査手順

  1. ベットに横になって血圧計を装着
  2. 測定中は安静にしてください。
  3. 測定結果をもとに今後の生活や病気に関するアドバイスを受けます。

PWV(pulse Wave Velocity): 脈波伝播速度

心臓から押し出された血液により生じた拍動が、血管を通じて手や足に届くまでの速度のことで、脈波伝播速度といいます。血管が固い程、その速度は早くなります。

ABI(Ankle-Brachial Index)

足首と上腕の血圧の比を測定することで血管の狭窄の程度が分かります。健常人の場合、足首血圧は上腕血圧より高いのが普通ですが、足の動脈が脂質等で詰まったりすると、血流が悪くなり上腕の血圧より低くなり、ABIの値が低くなります。

参考:オムロンヘルスケアパンフレット

甲状腺機能低下症

2011-01-25

甲状腺ホルモンの作用の低下が原因の疾患の総称
糖尿病や慢性栄養障害、高齢者も甲状腺機能が低下することがある。

甲状腺ホルモンが少ない状態

甲状腺に原因がある場合 橋本病  亜急性甲状腺炎の回復期
下垂体や視床下部に原因がある場合 下垂体腫瘍、自己免疫性下垂体炎

甲状腺ホルモンが存在してもその効果が発現されない場合

甲状腺ホルモン不応症
慢性肝機能障害代償期や妊娠

症状

むくみ(浮腫)、寒がり、難聴、声がかれる(嗄声)、動作が鈍い、便秘、体重増加、徐脈、皮膚の乾燥、脱毛など

検査所見

貧血や高コレステロール、CKなどの上昇

診断

原発性甲状腺機能低下症(甲状腺からのホルモン分泌が低下)は甲状腺刺激ホルモン(TSH)の上昇
橋本病は抗サイログロブリン抗体や抗過酸化酵素(TPO)抗体が陽性

治療

甲状腺ホルモンを少量から開始し次第に増量し長期間内服する。
全身状態の改善具合とTSH濃度などをチェックしながら投薬量を決定する。
日本ではチラーヂンSが使用されることが多い。 

日常診察メモ

甲状腺の病気は疑って検査をしないかぎり診断がつかないことが多い。体がだるい、ご高齢の患者の食欲低下、寒がりなど、偶然甲状腺をチェックして機能低下が見つかることも多い。60歳以上の高齢者は潜在性甲状腺機能低下症が多く、検査をすると約5%の罹患率ともいわれている。上記のような甲状腺機能低下症の症状がある場合は一度検査することをお勧めします。

動脈硬化と高脂血症

2010-10-06

LDLコレステロールは別名悪玉コレステロールといわれ、血管を閉塞し脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。これと逆にHDLコレステロールは善玉コレステロールといわれ損傷した血管を守るものです。
高脂血症治療の目標は、動脈硬化の進展を抑制し血管の閉塞を抑制することで心筋梗塞、脳梗塞を予防することです。総コレステロール値が高いほど動脈硬化による冠動脈疾患のリスクは高くなります。そうならないためにもコレステロール値を下げることが必要です。
 コレステロール値の目標は高血圧、喫煙、高齢(男性45歳以上、女性55歳以上)、糖尿病、脳梗塞、冠動脈疾患の家族歴、低HDLコレステロール(40mHg以下)などにより変わり危険因子が多い患者ほど低く設定されます。 

 

  リスク別脂質管理目標値
治療方針の原則
カテゴリー
脂質管理目標値mg/dL)
一次予防
まず生活習慣の改善を行った後、薬物治療の適応を考慮する
 
LDL-C以外の主要危険因子
LDL-C
HDL-C
トリグリセライド
I
(低リスク群)
0
160未満
40以上
150未満
II
(中リスク群)
1~2
140未満
III
(高リスク群)
3以上
120未満
二次予防
生活習慣の改善とともに薬物治療を考慮する
冠動脈疾患の既往
100未満
日本動脈硬化学会「動脈硬化疾患予防ガイドライン2007年版」より

 

 食べ過ぎない

一日に取るエネルギーを取りすぎないこと。標準体重は身長(m)の2乗x22です。たとえば身長160㎝の人は1.6×1.6×22で56.3㎏が標準体重となります。標準体重に25~30kcalをかけたものが1日に必要なカロリーとなります。このエネルギー標準量に従って生活していれば徐々に標準体重に近づいていきます。

 栄養のバランス

バランスの良い食事をするには偏食をしないで、色々な食材から栄養をまんべんなく取ることです。例えば糖質、脂質、タンパク質の割合を6:2:2にするのが理想といわれます。

脂肪の質と量

脂肪は糖類とともにエネルギーが多く含まれています。食材選びでは脂身の多い肉は避け、調理の工夫では脂身を取り除いたり、茹でたり、網焼きにするなどして余分な油を落とす方法や調理用の油を使わないでフッ素加工のフライパンを使ったり、電子レンジで調理することがあります。動物性脂肪は悪玉のLDLコレステロールを増やすので、善玉のHDLコレステロールを増やす植物性脂肪を取りましょう。
北極圏に住んでいるイヌイットは魚を良く食べるため動脈硬化性疾患が非常に少なく、その原因はEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が血栓や肝臓での脂肪の分解を促進することが指摘されています。

コレステロールは一日300mg以下にし、卵やレバーなどコレステロールの多い食品を控えるようにします。ちなみに卵1個には約270mgのコレステロールが含まれていますので、なるべく卵は控えましょう。
そのほかにスジコ、とりもも肉、豚レバー、ウナギ、ワカサギ、芝えび、たらこ、めざし、にしんなどはコレステロールが多く含まれているので気をつけましょう。内臓、卵などはコレステロールが多く含まれています。

食物繊維をたくさんとること

食物繊維はコレステロールを体外に排出する効果があるので一日300gは取りましょう。お菓子やアルコール、果物は糖質が含まれています。余った糖質は中性脂肪に変えられ体内に貯蔵されます。中性脂肪も動脈硬化の原因となるため、食べすぎ、飲みすぎは控えましょう。

食事療法の心得

  • 三食きちんと食べましょう。
  • 間食はさけましょう。
  • ゆっくり良く噛んで食べましょう。
  • 寝る前の食事をさけましょう。
  • 塩分を控え高血圧を予防しましょう。

適度な運動

運動するとエネルギーを消費し動脈硬化とその合併を予防することができます。激しい運動ではなく軽い運動が薦められます。体質改善が目的で行われ、ウオーキングなどの適度な運動は善玉コレステロールを増加させ、中性脂肪(トリグリセライド)を減少させる効果があります。30分の運動はお茶碗半分の80kcalしかならないため食事慮法をしっかり守った上で運動をおこなって下さい。運動を始めるにあたっては事前に主治医に相談しアドバイスをもらうと良いでしょう。出来れば毎日、週3回以上の30分以上の運動が基本ですが、体調が悪い時は無理をせず休んでください。マイペースでよいので持続することが重要です。汗をかいた時は適宜水分補給をしましょう。

タバコ

喫煙は血圧をあげたり、血管の細胞を障害します。喫煙する人は喫煙しない人に比較し心臓病で10倍も突然死が多いので禁煙が勧められます。

ストレス

ストレスは動脈硬化を促進します。ストレスを解消する方法を自分なりに見つけましょう。
 
高脂血症、糖尿病、肥満などの危険因子は症状がなく、気付いた時は進行している時があるため定期的な検査が必要です。毎日の生活を自己管理をすることが大事なため、本人がやる気を出して毎日実行していくことが重要です。

 

高脂血症患者へのメッセージ  

動脈硬化を防ぐために:高脂血症→動脈硬化→心筋梗塞、脳梗塞を防ぐために

動脈硬化と高脂血症:高脂血症と動脈硬化の関係を解説しています                 

                                                     養生訓参照

 

 

 

  長岡内科医院 呼吸器内科消化器内科循環器内科内分泌代謝内科

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