Archive for the ‘その他疾患’ Category

今話題のiPS細胞とは?

2011-05-31

京都大学山中伸弥教授のiPS細胞に関して世間の注目している。ニュースや、新聞の社説などでも大きくとりあげられている。
世間に大きなインパクトをあたえるiPS細胞 induced pluripotent stem cell(人工多能性幹細胞)の発見は何を意味するのか?

少し前に韓国ソウル大学でのES細胞のデータねつ造事件が記憶に新しい。韓国のグループは、卵子の核だけをいれかえて、移植されるヒトと同じ染色体をもつES細胞を作ろうというものであった。これは倫理的な問題、ねつ造の問題で新しい報告は発表されていない状態である。この件で再生医療の道が閉ざされてしまう雰囲気もあったが、ここにきて患者自身の皮膚を使用し万能細胞を作るiPS細胞の出現により倫理的問題も大きく軽減された。

 ヒトの皮膚の細胞に少量の遺伝子を導入すると、細胞の形態が変わり、ES細胞のように分化する能力を獲得した細胞が出来る。これがiPS細胞である。

iPS細胞を使って、組織や臓器、器官の再生や機能の回復を行うことができれば、免疫的な拒絶反応なども克服できるでしょう。

再生医療は、私たちが本来持っている自己再生能力を最大限に活用し、負担を和らげることのできる無限の可能性を秘めた医療なのです。
 

再生医療により広がる可能性のある医療

皮膚
軟骨
関節
神経

心臓 など

腎臓病食事療法

2010-09-11
腎疾患ではどのような食事をとればよいか?

腎臓の働きが1/3程度になった状態を慢性腎不全といいます。働きの弱くなった腎臓に負担をかけないような食事療法を行います。
腎疾患の食事療法では、食塩、水分、カリウム、リン及び三大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)に対する配慮が重要です。日本腎臓学会は慢性の腎疾患の患者(慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、腎硬化症、多発のう胞腎など)の食事療法基準を発表しています。
内容は腎臓の機能や尿の中に蛋白がどのくらい混じっているかの程度により、たんぱく質と食塩、カリウム、リン摂取量を決めます。また総エネルギー摂取量は性別、年齢、身体活動レベルに決定します。

慢性腎臓病(CKD)に対する食事療法の基本

1腎機能低下の程度により決定する

日本腎臓学会発表の慢性腎臓病(CKD)に対する食事療法基準(成人)を表に示します。腎機能低下(糸球体濾過率;GFRの低下によりステージ分類されているため、大変分かりやすくなってきている。

2蛋白尿の程度で食事を決定する

腎臓の病気は尿蛋白の量が多いと、さらに腎臓の機能が低下する可能性が高い。尿蛋白が少ない場合(0.5~0.3/day)以下と少ない場合は腎機能低下が進行する可能性が低くなる。そのため食事療法基準では、慢性腎臓病(CKD)ステージ1~3では尿蛋白量別に食事療法基準が提示されている。
要するにCKDの患者でも腎機能の低下が軽度であり、治療などにより尿蛋白量が減少しているような場合には、軽度蛋白制限、塩分制限を行う程度でよいが、腎機能低下が進行、または尿蛋白量が多い場合は食事療法を強化する必要があることが分かる。

食事療法の内容

1水分

尿の排泄障害がない場合は水分は自然に摂取するが、浮腫、乏尿の腎不全患者、透析中の患者は厳格な水分制限が必要である。

2塩分

食塩制限は慢性腎臓病患者の基本であり、特に浮腫、高血圧、透析中の患者は1日6グラム未満の食塩制限が必要である。

3カリウム

血液検査でカリウムが6mEq/l以上の患者では1日1500mg以下のカリウム制限が必要である。

4たんぱく質

一般に低たんぱく食が必要なことは周知されており、炭水化物や脂質から十分なエネルギーを摂取すること、食事全体のアミノ酸スコアを100とするなどが重要である。

5総カロリー

表の食事療法基準に示されているカロリーは現在の体重を維持するものであり、肥満の人は少なめに、またやせの人は多めにする。

 

表 成人の慢性腎臓病(CKD)に対する食事療法基準(改)

慢性糸球体腎炎糖尿病性腎症腎硬化症多発性囊胞腎などすべての慢性腎臓病を対象とし糸球体濾過量による病期ごとに内容を提示した。(日本腎臓学会2007年参照)


ステージ(病期)
エネルギー
(kcal/kg/day)
たんぱく質
(g/kg/day)
食塩
(g/day)
カリウム
(mg/day)
ステージ1(GFR≧90)        
尿蛋白量0.5g/day未満(注2)  27~39(注1) 任意 10未満(注3)  
尿蛋白量0.5g/day以上 27~39(注1) 0.8~1.0    
         
ステージ2(GFR60~89)        
尿蛋白量0.5g/day未満(注2)  27~39(注1) 任意 10未満(注3)  
尿蛋白量0.5g/day以上 27~39(注1) 0.8~1.0 6未満  
         
ステージ3(GFR30~59)        
尿蛋白量0.5g/day未満(注2)  27~39(注1) 0.8~1.0 3以上6未満 2,000以下
尿蛋白量0.5g/day以上 27~39(注1) 0.6~0.8 3以上6未満 2,000以下
         
ステージ4(GFR15~29) 27~39(注1) 0.6~0.8 3以上6未満 1,500以下
         
ステージ5(GFR<15)  27~39(注1) 0.6~0.8(注4) 3以上6未満 1,500以下
ステージ5D(血液透析療法中) 27~39(注1) 1.0~1.2 6未満

2,000以下

 kg:身長(m)×22として算出した標準体重
GFR:糸球体濾過量(mL/min/1.73m)
注1) 厚生労働省策定の日本人の食事摂取基準(2005年版)」と同一とする。性別年齢身体活動レベルにより推定エネルギー必要量は異なる(次頁の別表に示す通り)。
注2) 蓄尿ができない場合は随時尿での尿蛋白/クレアチン比0.5
注3) 高血圧の場合は6未満
注4) 0.5g/kg/day以下の超低たんぱく食が透析導入遅延に有効との報告もある。
 

 

 

白血球減少症

2010-06-04

白血球減少症は顆粒球減少症とリンパ球減少症があり、頻度が多いのは顆粒球減少症です。顆粒球は白血球の中でも細菌感染の防御で重要な役割を果たしており、500/μl以下に減少した場合は重症の感染症になることがあります。薬の副作用による好中球減少症も時々遭遇するため、早期発見が重要。遅れたときには致命的な場合もあり注意が必要です。

診断

 白血球数が4,000/μl以下の状態を白血球減少症と診断されます。顆粒球減少症とリンパ球減少症に分類され、顆粒球減少症は好中球減少症とほぼ同じ意味です。

好中球減少症

好中球が1,500/μl以下に減少した状態であり、白血病や再生不良性貧血などが原因の場合と、薬剤による副作用(骨髄障害)などがあります。

無顆粒球症

顆粒球が500/μl以下に減少し,貧血や血小板減少を伴わない状態(ヘモグロビン10g/dl以上,血小板数10万/μl以上)先天性か後天性かの判断後、感染症や自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス)などの他の疾患の合併があるか検討します。好中球減少が持続する場合には、やはり骨髄検査(胸骨や大腿骨より骨髄を刺して採取する検査)により、再生不良性貧血、骨髄異型性症候群、白血病などを鑑別します。

治療方針

感染症予防のため口腔内の消毒・洗浄など行い。減少が高度の場合は無菌室への隔離も検討します。
感染症の場合には直ちに抗生物質を投与します。感染の原因の細菌を調べるための、培養検査の結果をみて抗菌薬を検討します。
重篤な感染症を避けるため、または治癒させるため、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF製剤)を投与し好中球を増加させる治療もあります。

診察メモ

白血球は感染防御に重要な役割を果たしており、減少することにより感染のリスクが高まります。当院で白血球減少症の場合は経過観察させていただくこともありますが、好中球減少症の診断がついた場合は薬剤性を否定後に血液内科のある病院は紹介させていただきます。

 

伝染性単核球症 

2010-05-10

病態

 伝染性単核症はEpstein-Barrウイルス(EBV)の初感染によって起こる急性熱性疾患です。l唾液を介して伝播し、一般的にキスを介して伝染するためキッシングディジーズともいわれている。
症状は①発熱(38℃以上、1-2週間)②頸部リンパ節腫脹 ③咽頭扁桃炎(咽頭痛,扁桃白苔を伴う)が主症状、ほかに④肝腫,⑤脾腫などがみられる。
検査所見では異型リンパ球出現(10%以上)、肝機能異常

診断

 確定診断は血清学的検査をする。EBVに特異的な抗体として、EA(early antigen)抗体、VCA(virus capsid antigen)抗体、EBNA(EBV nuclear antigen)抗体がある。
急性期にEBNA抗体が陰性で、EA抗体陽性、VCA-IgM抗体陽性であれば、EBVの初感染と判断できる。
回復期にEA抗体が陰性で、VCA-IgG抗体陽性、EBNA抗体が陽性であれば、診断はより確実。

治療

 風邪と比較し長期間発熱症状、全身倦怠感が持続するが、一般に予後は良好で自然治癒する疾患なので、安静、対症療法を行います。咽頭扁桃の所見から細菌感染による咽頭扁桃炎を疑ってペニシリン系抗生剤を投与すると薬疹が出現することがある。
 発熱に対しては解熱薬を投与し、咽頭扁桃炎に対してはうがいを行う。脾腫が強いと脾臓破裂の危険性がある。

くすり

1)カロナール (200mg) 1回2錠 頓用
2)イソジンガーグル または アズノール 1日3-4回 うがい
 
細菌感染の合併が考えられるとき
 クラリシッド(200mg) 2錠 分2

膀胱炎・尿路感染症

2010-03-17

病態

膀胱炎は、女性に多く発症します。基礎となる病気の有無により単純性と複雑性に分けられます。子供の頃や高齢者の膀胱炎は複雑性膀胱炎が多く、尿路奇形、神経因性膀胱などが原因のことがあります。症状は排尿時の痛み、頻尿(尿が近い)、尿混濁(尿が濁っている)などです。下腹部の痛み、不快感があることも多いです。膀胱炎だけでは発熱は起らず、38℃を超える発熱がある場合は急性腎盂腎炎に移行(膀胱の細菌が尿管を通して腎臓に入り炎症を起こしている状態)したと考えます。単純性膀胱炎の原因菌は,大腸菌がほとんどです。

診断

 診断は,特徴的な症状と尿検査での細菌、白血球が増えていることです。

治療

膀胱炎の治療は積極的に水分を摂取していただき、尿量増加による尿路を洗浄すること、及び抗生剤投与です。複雑性膀胱炎の治療は何らかの基礎疾患があれば、それらの治療を行い、排尿痛、頻尿、残尿感など自覚症状がある場合は比較的長期間の抗生剤治療を行います。何回も繰り返す場合、なかなか治らない場合は精査が必要です。

 キノロン系薬またはセフェム系抗生剤で治療します。
1)クラビット錠(500mg) 1錠 分1 3日間~14日間
2)フロモックス錠(100mg) 3錠 分3 3日間~14日間

 

 

 

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AGA(男性型脱毛症)

2010-03-15

AGA(エージーエー/男性型脱毛症)の人は全国で1,260万人ともいわれています。男性ホルモンによる抜け毛が多くなり、薄毛の状態です。男性の大半は年齢をとると、徐々に前頭部と頭頂部の抜け毛が多くなり薄毛になります。早ければ抜け毛は10代後半から始まることもあります。AGA(薄毛、脱毛症)には多くの遺伝的、環境的な因子が関与しているが、睡眠不足、ストレス、食生活などの生活習慣にも関係しています。ひとつの原因として、皮膚内の毛髪を作る部分に5α-還元酵素というの働きによって男性ホルモンであるから生成された「ジヒドロ・テストステロン」が作用し、毛髪の成長を妨げ抜け毛が増え、薄毛になると考えられています。この5-アルファ還元酵素の作用を阻害する薬(フィナステリド:商品名プロぺシア)は98%の患者で抜け毛が減少、AGA(薄毛、脱毛症)の進行が3年間認めませんでした。当院ではプロペシアの処方が可能です。気軽に相談してください。

 治療

以前は男性型脱毛症の薬は効果がいまいちなものばかりであったが、最近でてきた外用剤(ミノキシジル:商品名リアップ)を初めとした脱毛症(薄毛、AGA、抜け毛)の治療は病院で可能です。お気軽に相談してください。

脱毛を減らし、脱毛の進行を止める治療

外用剤
ミノキシジル(商品名:リアップ、市販されています)
内服
フィナステリド(商品名:プロペシア)
ザガーロ

 

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