Archive for the ‘消化器疾患’ Category

ゲップが出る理由とゲップから分かる病気

2016-06-16

話題の出来事のQ&Aをウォッチ(観察)しながら、コラム形式で皆様に紹介していくサイト「gooウォッチ」コラムで、「ゲップが出る理由とゲップから分かる病気」に関しての取材を先日受けました。鈴木院長のコメントが6/9日付け「教えてgoo」および関連サイトに掲載されました。

今後も地域医療に貢献し質の高い医療を提供できるよう努力したいと考えています。

geppu

産経ニュース:http://www.sankei.com/premium/news/160612/prm1606120034-n3.html

慢性C型肝炎、C型代償性肝硬変の新治療(ジェノタイプⅠ型)

2015-09-03

治療前

全身にの状態をチェックするため血液検査、腹部エコー検査、場合により内視鏡検査を施行します。
安全に治療を行なうためにい。服用中の薬をチェック
抗てんかん薬、抗結核薬、漢方など内服は中止していただくことがあります。
腎臓の病気がある場合
妊娠中、授乳中などチェック

Ⅰ型慢性C型肝炎、C型代償性肝硬変の新治療薬

ヴィキラックス (C型ウイルス変異(-)時使用)
成人1日1回2錠(オムビタスビル25mg、パリタプレビル150mg、リトナビル100mg)食後経口投与し、投与期間は12週間です。

ハーボニー配合錠 (C型ウイルス変異(+)時使用)

「レジパスビル」と「ソホスブビル」という2種類の薬効成分が入った配合剤です
C型肝炎ウイルスが肝臓の中で増えようとする際に必要な核酸という物質が作られるのを邪魔するなどの効果があり、C型肝炎ウイルスの増殖を抑性します。

治療スケジュール

抗ウイルス薬を服用していただく期間は、3ヵ月(12週間)です。
ウイルスが完全にいなくなったかを確認するために、12週間後にウイルス検査を行ない、効果判定をする必要があります。

※ハーボニー配合錠は、いつ服用してもよい薬ですが、朝食後や夕食後など、できるだけ毎日決まった時間に服用してください。

治療効果

投与終了12週間後において(90-100%)がウイルス持続陰性化(SVR)を達成しました。
C型肝炎は治癒する時代となりました。

新規C型慢性肝炎経口薬が承認!

2014-09-26

今まではC型慢性肝炎の治療はインターフェロンを使用する治療が主流であったが、インターフェロンを使用しない経口薬が承認されました。
年齢が65歳以上の患者はインターフェロンの副作用によりインターフェロン療法が困難だったり、忍容性が低いことが問題となっていました。

新規C型慢性肝炎の治療薬であるダクラタスビル(DCV)とアスナプレビル(ASV)は共にHCVに対して抗ウイルス作用を有し、国内第3相臨床試験では、ジェノタイプ1bのC型慢性肝炎患者(今までインターフェロンが効きにくいといわれていた患者)またはC型代償性肝硬変患者において、優れた有効性が確認されました。
インターフェロン治療は初期はインフルエンザ症状を伴い全身倦怠感、発熱など「きつい治療」であったが、今回の経口薬は肝機能異常など副作用認めるが、従来の治療と比較し体にとって負担の少ない治療となっています。
新規経口薬は治療効果が約80%となっており、インターフェロン治療不適格の未治療あるいは不耐容の患者又は、65歳~75歳のC型肝炎の患者にとっては朗報であろう。
新規経口薬の問題点としては、特定の遺伝子変異が存在する場合、著効率が30~40%程度と言われており、著効に至らなかった患者は、その後の治療薬の選択が難しくなる可能性が指摘されています。

(新規経口薬使用検討の場合に、患者が新規経口薬に対する特定の遺伝子変異があるかどうかの検査が推奨されています。)

肝臓学会教育講演会2012

2012-08-12

平成24年8月12日にグランキューブ大阪(大阪国際会議場)で日本肝臓学会教育講演会が開催された。
肝臓専門医は5年ごとに更新されるのであるが、消化器病学会や肝臓学会に定期的に出席することで肝臓専門医の維持が可能であった。

しかし、近年の肝臓病治療の改変、進歩は目覚しく、日本肝臓学会では専門医制度の更新に教育講演出席が必須となった。
そのため遠方ではあるが、お盆休みも兼ねて大阪まで足を運び講演会を受講してきました。
どの講演も日常の肝臓病診療に直結するようなもので、ウイルス性肝炎(B型肝炎、C型肝炎)脂肪肝、NASH、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、などの多岐にわたるものであり、知識の再確認及び、最新情報の習得に役立つ一日であった。


B型肝炎

  • B型肝炎は3-4人に一人に感染の既往があり、持続感染者の管理は個々の状態により異なる。
  • B型キャリアーからの急性増悪とB型急性肝炎の鑑別は予後に大きな違いがあり重要。
  • B型慢性肝炎は線維化が軽い症例でも発癌することがある。
  • 最近ではHBV DNA量と同様にHBs抗原を定量することで、長期的にみた肝癌発生の予測に重要であることが示唆された。
  • HBs抗原、HBV DNAだけでは感染状態を判別できない場合も存在し、肝細胞内にcccDNAの状態でHBVは残存するため、HBs抗体やHBc抗体が既感染の診断に有用である。
  • 治療の基本はHBVウイルスは完全に排除できないため、現時点ではウイルスを一定量以下に抑制すること。それにより肝炎→肝硬変→肝癌への進展を防ぐ。
  • エンテカビルは、今まで問題となっていた薬剤耐性株出現頻度は5年で2-3%と低く、優れた抗ウイルス効果を示す。
  • ペグインターフェロン治療が最近承認されHBe抗原陽性例でのHBe抗原陰性化率は29-37%と従来のIFNより有効。


C型肝炎

  • インターフェロン・リバビリン併用療法で50%のSVR率が得られていたが、それにテラプレビルを加えた3剤併用療法で初回治療73%のSVRが得られるようになった。
  • 人19番染色体上に存在するインターフェロンγをコードするIL28B近傍の一遺伝子多型(SNP)が治療効果と関連している。
  • IL28TTタイプはnonTTタイプと比較しSVR率が高い。

単純性脂肪肝、NASH、NAFLD

  • 生活習慣の欧米化により肥満人口増加に伴いNAFLD患者が増加(成人の10-40%)している。
  • 体重コントロールが重要。
  • 治療薬としてインスリン抵抗性改善薬、EPA、スタチン、ウルソ、強ミノ、ビタミンEなど

原発性胆汁性肝硬変

  • ウルソが胆道系酵素、のお低下に有用でり、組織の改善、肝移植や死亡までの期間延長効果が二十盲検で確認されている。通常は600mg/dayが推奨されている。
  • ベザフィブラート400mg/dayの併用もウルソ無効例に有用。

自己免疫性肝炎

  • 診断におけるスコアリングの位置づけ
  • 簡易型スコアリングシステムでは感受性より特異性に秀でている。

肝癌

  • 肝細胞癌治療アルゴリズムに沿って治療がおこなわれている。

 

肝硬変の新治療

2012-01-28

 

重い肝硬変に新治療、骨髄液から細胞培養し点滴

 
 肝硬変の患者から骨髄液を採取し、含まれている細胞を増殖させたうえで患者自身に点滴で戻す臨床研究を、山口大学の坂井田功教授らのチームが計画している。
骨髄液の細胞が肝臓へ移動して正常な肝細胞に変化することで、症状の改善が期待できる。3年以内の開始を目指す。
肝硬変はウイルス感染などで発症し、肝臓が本来の機能を失う。国内の患者は40万-50万人に達する。

 研究チームは2003年に、肝硬変患者から約400ミリ・リットルの骨髄液を採取して点滴する臨床研究を開始。
これまで19人に実施し、15人の肝機能の改善や悪化抑制が確認された。
骨や脂肪などの細胞に変化できる骨髄液中の「間葉系幹細胞」が肝細胞に変化したり元々あった肝細胞を刺激したりして、正常な肝細胞が増えた結果とみられる・・・・
2012年1月19日 読売新聞  引用
 
 
C型慢性肝炎はインターフェロン治療の貢献により、ウイルス性の肝硬変に進展する患者は激減している。
最近注目されているのはアルコール性の肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)など。
これらは長期間かけて肝硬変(黄疸や腹水が症状)に進展します。
肝臓は再生力が強いと言われますが、ある程度線維化が進むと元に戻らなくなり、現時点では有効な治療薬はなく、症状を抑える治療が主に行われています。
生体肝移植の普及により肝硬変患者で肝移植を受ける患者は増加していますが、侵襲的で、術後は拒絶反応抑制のため免疫抑制剤を飲み続ける必要があります。
一方、骨髄液はどのような細胞にも分化できる骨髄幹細胞が含まれており、自身の骨髄細胞なので、拒絶反応も心配ない。
それを点滴で血液に戻し約8割の患者で治療効果があったということは、肝硬変患者へ朗報と思われる。
再生医療の先駆けのとなる治療法として期待したい。

C型肝炎治療の最前線

2011-12-21

 

プロテアーゼ阻害薬(テラプレビル)がC型慢性肝炎新薬として臨床使用が可能となり、ペグインターフェロン+リバビリンにテラプレビルを上乗せした3剤併用療法では、肝炎治癒率が約70%と高率となった。
 
その中でも前回治療でウイルスがいなくなったが、再度出現した患者でのSVR率は88%と良好だ。
 
しかも、治療期間も短縮され24週となっている。
 
治療効果が高いことはよいのだが、副作用は強く出現する。主なものは貧血や皮膚湿疹、倦怠感など。
 
細心の注意が必要であり、使用可能施設は、肝臓専門医が常勤し、皮膚科専門医との緊密な連携が取れる施設
に限定される様子。
 
現時点では大牟田地区での治療可能な施設は大牟田市立病院のみ。全例市販後調査の対象でもあり厳密な
計画のもと治療が行われる予定です。
 
慢性肝炎(B型慢性肝炎、C型慢性肝炎)詳細

胃癌

2011-05-22

アタック25などでダンディーなお父さんの印象の児玉清さんが、胃がんのため16日に亡くなり、告別式が21日、東京・護国寺桂昌殿でしめやかに営まれた。
政治家の鈴木宗男さんや野球のソフトバンク監督(14年間監督)の王貞治さんなども、胃がんを罹患していますが、胃癌の罹患数は年間約10万人で悪性新生物の中で最も多く、癌死亡数は肺癌に次いで2番目に多い癌です。
近年ピロリ感染との関連が明らかになりました。
症状は胃もたれや胃部不快感、胃痛など。しかしこれらの症状は進行癌にならないと出現しないことが多い。
内視鏡の進歩により癌の初期段階では内視鏡での治療が出来るようになった。浅い癌であれば、大きな病変でも内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術で一括切除できる。また、進行癌でも腹腔鏡手術、開腹手術などで治療効果は高い癌です。久留米大学病院消化器病センター、熊本セントラル病院で内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術治療をしてきたが、10年前の導入初期の治療は内視鏡先端の電気メスで一回に切除できる幅が狭かったり、切りにくいこともあり、治療が5~10時間ということもあった。
しかしながら最近ではデバイスの改良により数センチの病変であれば、30分~1時間程度の時間で一括切除、治癒が可能となってきています。
胃癌は早期発見できれば治癒できる疾患です。早期発見のためには定期的な検診が必要です。問題となるのは、カメラ時の嘔吐反射や胃部不快感などによりカメラは敬遠されていることです。
当院では内視鏡検査に伴う苦痛を軽減する極細スコープによる経鼻内視鏡検査を導入により食道癌、胃癌の早期発見、早期治療を目指しています。

 

 

クローン病

2011-04-29

炎症性腸疾患は年々増加し、クローン病患者は現在3万人と推定されています。欧米化の食事、ファーストフードなど摂取増加により今後も益々増加すると考えられている。以前より厚生省難治性炎症性腸疾患研究班で治療指針が検討されており、2010年にクローン病ガイドラインが作成されました一部を紹介させていただきます。

推奨グレード

A:行うよう強く勧められる  高いレベルの根拠
B:行うよう勧められる  中等度レベルの根拠
C1行うほうがよい    低いレベルの根拠であるが臨床的には有用
C2行わないほうがよい 低いレベルの根拠であるが臨床的に有用でない。
D:行わないよう勧められる。 

クローン病の診断

10歳代後半~30歳代の慢性腹痛、下痢、体重減少、発熱、全身倦怠感、肛門病変などがある人

血液検査

白血球やCRP、赤沈が高く、低栄養状態(アルブミン、コレステロール低下) 貧血

画像検査

消化管に縦走傾向の潰瘍が多発していて他の疾患が否定的

治療

軽症~中等症
5ASA製剤(ペンタサ、サラゾピリン)、抗菌薬(大腸病変)、経腸栄養(小腸病変)、
中等症~重症
経口ステロイド、経腸栄養剤
重症~劇症
入院、完全静脈栄養、経静脈ステロイド、外科的治療も考慮

最近は抗TNF-α抗体(レミケード)、免疫抑制剤(イムラン)が行われるようになり、短期間で寛解導入や長期にわたる寛解維持が可能となってきている。
治療の原則は腸管の炎症を抑制し、症状改善、栄養状態改善、生活の質を向上させることです。
クローン病は進行性の疾患であり、今までのような、マイルドな治療から強い治療に徐々に移行していく治療(ステップアップ)より、強い抗炎症作用をもつ薬で治療を開始し早く寛解に持っていく治療(トップダウン)が多く行われるようになってきています。

クローン病定義

クローン病は慢性の肉芽腫性炎症性病変を主体とする原因不明の疾患である。 C1

疫学

クローン病の頻度、年齢層、海外と比較してどうか?
日本のクローン病患者数は年々増加し、現在では2万5千人以上と推測され、1.8:1.0程度の比率で男性に多い。 B
クローン病は比較的若年に発症し、10歳代後半から30歳前半に好発する。  B
欧米諸国のクローン病有病率・罹患率は日本より高く、女性に多い傾向がある。 C1

病因

クローン病の原因、遺伝、リスクは?
原因は解明されていない C1
食事内容とクローン病の因果関係が指摘されているが、いまだ決定的な見解は得られていない。 B
喫煙はクローン病のリスク因子である。 B
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)や経口避妊薬はクローン病の増悪因子となりうる C1

病態・分類・活動度

適切な治療のために、クローン病の病変部位、疾患パターン、活動度を的確に把握する必要がある。 B

経過

クローン病の長期経過はどうなのか、癌になりやすいか、寿命は短くなるのか?
クローン病は再燃と寛解を繰り返しながら長期間持続する。 C1
クローン病患者の日常生活は障害されることが多い。 C1
クローン病患者の癌発生率は高い。 B
クローン病患者の生命予後は正常集団に比較しわずかに低下する。 C1

臨床症状

腹痛、下痢が最も多く、肛門病変による症状や血便もよくみられる。 C1
体重減少、発熱、全身倦怠感、食思不振などの全身症状や口腔内アフタなどの症状も高頻度にみられるが、特異性は高くない。 C1

合併症

腸管合併症としては、狭窄、瘻孔(内瘻、外瘻)、膿瘍形成、大量出血、大腸、直腸癌などがある。 B
腸管外合併症としては、関節症状、皮膚病変(結節性紅斑、壊疽性膿皮症)、眼病変(虹彩炎、上強膜炎)原発性硬化性胆管炎などがある。 C1
小児に合併しやすいものとして、成長障害、骨粗鬆症、血管炎などがある。 C1

医療面接と身体診察

若年者で慢性の腹痛、下痢が続く場合にクローン病を念頭に置く。体重減少や発熱を伴うばあい可能性が高い。 C1
身体所見として特有の肛門病変や虫垂炎類似の症状、所見、腸閉塞、下血がある場合は強くクローン病を疑う。 C1
クローン病は若年者に多く発症するが、高齢者でもまれではないので注意する。 C1

 

C型慢性肝炎研究会

2011-02-26

肝炎は21世紀の国民病といわれており、国民全員一回はC型肝炎の検査を受けることを推奨するといる政府の方針も固まりつつある。

九州における肝炎治療にたずさわっている医師を対象、第七回九州C型肝炎研究会がH23年2月26日にホテル日航福岡で開催され多くの医師の参加がありました。

はじめに慢性C型肝炎の根治療法としてIFN治療は確立されてきているが、その投与方法は現在も検討され続けており、SVRを目指し多くの報告がされました。

SVRというのはC型肝炎の治療効果を検証するために一番重要な指標であり、IFN治療後6ヶ月後にウイルスが陰性化している率です。SVRが得られると一般的に肝炎は治癒したと考えられています。

報告内容をの一部及び私見を述べさせていただきます。

難治性C型慢性肝炎に対するPEG-IFNα/Ribavirin併用長期投与

登録608症例に対して検討されており、4週でウイルスが陰性化した人は12.9%、8週でウイルス陰性化した人31%、そして治療効果は8週でウイルス陰性化した人ののSVRは85%、 全体では53%、8週でウイルス陰性化しなかった人は延長投与(72W)した人52%のSVR率という中間報告が報告された。ということで「8週目のウイルス判定が重要である」と結論づけている。

ウイルスが1週間目で陰性化した患者は一ヶ月投与で良いのではともいわれており、ウイルスの消えるまでの期間は、医師が治療をいつまでするのかを決定する重要な要素です。やはり8週目のウイルス判定が重要であった。ウイルスの消失は早ければ早いほど良いが、8週間目でウイルスが陰性化しなかった患者は72Wの延長投与によりSVR率があがることが証明される可能性が高くなってきた。

プロテアーゼ阻害薬について

新規高ウイルス薬であるプロテアーゼ阻害薬がとうとう来年度に登場する予定です。いままでのIFN+Ribにことプロテアーゼ阻害薬を併用することにより、治療効果(SVR率)をあげることができます。このプロテアーゼ阻害薬(テラプレビル)は「前回IFN治療で一度ウイルスが消失した患者は治療効果が高いこと」しかしながら「貧血がある患者はプロテアーゼ阻害薬の使用が難しいこと」などが報告された。

IFN治療がうまくいかなかった患者は現在すぐに再治療をするよりも、今年末~来年度登場する新薬を待ったほうが良いかもしれない。

高齢C型慢性肝炎患者へのペグインターフェロン/リバビリン併用療法

  • 222例の患者(74人の65歳以上の患者が含まれている)
  • Ⅰ型高ウイルス患者に関して高齢者のSVR率(31%)は若い患者(52%)と比較し低い
  • SVRに関するもので重要なものは治療計画遵守(70%以上の薬の投与量の遵守が重要)である。

医師は診察時に副作用を観察しながら最適な量のIFN,リバビリン量の処方をしています。なるべくならば計画していた量を確実に投与することにより最高の治療効果を期待したいところだ。しかしながら実際の治療では全身倦怠感、貧血症状、検査結果などにより減量をせざるをえない状況が多くあります。以前よりわかっていたことであるが、なるべくIFNやRibを減量することなく、治療を完遂することが重要なのが再確認されている。

ということは・・・

副作用が強く出た場合通常診療では医師は「ではお薬をやめましょう」ということができるのであるが、IFNの治療は「きついとは思いますが、きつさをとる薬を続けながらIFN、Ribをいつもの量で投与しましょう」というのが治療を成功させるためには一番のポイントと思われる。

高齢女性におけるC型慢性間疾患のインターフェロン治療効果の検討

  • 高齢の女性患者はインターフェロンが効きにくいため治療効果のあった患者(SVR)と再燃患者との比較をしている。
  • 実際のSVR率は男性46%。女性26%であった 
  • 再燃例はタイプⅣコラーゲンやヒアルロン酸などの繊維化マーカーとEVRの有無と相関があった。またリバビリンの投与量も関係していた。

C型のウイルスは肝臓が硬い(線維化マーカーが高く、肝硬変に近い)場合ウイルスが肝臓に残りやすいことが報告されている。なるべく肝臓が硬くないうちに治療することが重要なようだ。高齢の女性の肝炎は肝臓が硬いためIFNが効きにくいのか??

C型肝炎治療戦略に関して  

  • Ⅰ型高ウイルスでは脂質代謝改善薬であるピタバスタチンとEPA併用両方がSVR率を増加させる報告。 

IFN+Ribの治療効果をあげるために脂質異常症の薬であるローコールなどを治療時に併用することが行われており、SVR率を約10%近く増加させることができる。コンビネーションセラピーは最適な量、最適な組み合わせが模索されている。今後も検証が続けられると思うが、テラプレビルの登場により、さらに多くの組み合わせパターンが可能となる。治療効果は良好となってきているが、その中で最適の組み合わせが確立されるのはまだ先になるであろう。

 

慢性肝炎(B型慢性肝炎、C型慢性肝炎)詳細

C型肝炎抗ウイルス薬

2010-10-30

「HCV感染患者への新規抗ウイルス薬は、2週間でウイルスRNA濃度を低下させた。」という論文が2010年10月30日のイギリスの臨床医学全般の論文雑誌「The Lancet」に掲載された。
C型慢性肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1感染患者を対象に、経口ヌクレオシドポリメラーゼ阻害薬RG7128+プロテアーゼ阻害薬danoprevirの有効性を無作為化プラセボ対照試験で検討している。C型肝炎のウイルス量はベースラインから14日目までに、-3.7から-5.2 log10 IU/mLの範囲濃度の低下を認めた。(-1logは1/10のことなので、ウイルス量が約1/10000~1/100000に減少するということ。)
研究グループは、ヌクレオシド類似体ポリメラーゼ阻害剤とプロテアーゼ阻害剤の経口組み合わせは、慢性C型肝炎に対するインターフェロンを使用しない治療としての可能性を秘めていると結論づけている。
 2012年頃に従来の治療でC型肝炎ウイルスが消えなかった患者適応の「テラプレビル+ペグイントロン+リバビリン」の新規複合治療が登場する。臨床成績は今までの治療と比較し一度ウイルスが消失した患者は7割のウイルス消失が期待できる。
更に未来ではこの論文のように、インターフェロンを使用しないでC型肝炎の治療が臨床で登場する可能性がでてきた。


参照:LANCET The Lancet, Volume 376, Issue 9751, Pages 1467 – 1475, 30 October 2010

 

慢性肝炎(B型慢性肝炎、C型慢性肝炎)詳細

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