やすらぎの丘温泉病院を8時に出発。いわき医師会で薬剤師2名と合流して、草野小学校、高久小学校、藤間中学校、沼の内公民館、平体育館、アリオス、磐城高等学校、平工業高校の計8か所を巡回しました。申し送りは受けていたものの初めは要領がつかめず、草野小学校では体育館すべての人に声をかけていくと、「血圧が気になる」、「何となく体がだるい」、「眠れない」、「腰が痛い」など多くの症状の訴えがありました。初めの一か所で約1時間かかってしまい、この調子だと全部の巡廻が出来ないため、その後看護師、医師それぞれが要領よく問診をするように心がけました。長い避難生活のためストレスがかかり、又避難所の食事は加工食品が多く、炊き出しも濃い味付けとなるため、普段血圧が問題ない人でも高血圧となるようです。多くの人がいる体育館などでは物が充実しているが、仕切りが段ボールなどであり、プライバシーがない状態です。公民館などは、一つの部屋を家族で使用できるため、居住空間としては恵まれているうようでした。地震より1カ月たっており、災害に伴う急性期~亜急性期の患者はほとんどおらず、高血圧や糖尿病、生活習慣病などの内服加療中の患者や、風邪、花粉症、不眠症、便秘などの患者が多くみられました。4月より地元の病院、クリニックも受診可能なところが増えてきており、受診できる患者に対しては受診勧奨させていただいています。


    草野小学校

    収容人数39名

    風邪、高血圧、糖尿病、膝痛、不眠などの患者、17歳の女の子の口唇ヘルペスに対するアラセナ軟膏の持ち合わせがなく、翌日届けることとなる。

    藤間中学校

    収容人数:78名

    十分な物資があり、体育館の避難所の典型的な感じと思います。ボアランティアの看護師さんが避難所の状態を把握しており、スムーズに状態把握、診療に入ることができました。大腿骨骨折後保存的治療で経過観察中の高齢患者の生活指導、めまいの患者への処方など。

    沼の内公民館

    収容人数:31

    ここには海の近くであり、水道が使えないため給水ポンプが設置してあります。畳部屋であり、体育館と比較し居住環境は良いようです。高血圧、糖尿病、花粉症、不眠の患者を診察。

    ミーティング~地震

    巡廻した場所のまとめ後に全体ミーティング。

    ミーティングが5時より開始されたが、5時15分に震度6の地震となり停電となる。かなり強い揺れであるが、地震に慣れているせいか皆落ち着いている。福岡チームは高萩まで戻らないといけないため直ぐに車で出発した。高速道路は通行止め、一般道も震災後に補修した道路が再度陥没しており、大渋滞。地震自体は問題ないと思っているが、いわき市は福島第一原発より約40km、原発のポンプが一時停止し、気がかりであった。電車が線路上で停止し、車内には乗客と思われる人影あり。いつ停電が解除されたのであろうか・・・結局いわき市を出るのは夜中となってしまいましたが、何とか高萩に到着。断続的な余震に不安になりながら一夜を明かしました。

     

    いわき市の22万戸が停電。なんとか停電を免れていたコンビニでは、多くのお客さんが食べ物や水を買い占め、おにぎり、サンドイッチなどの食品の残りはなく、水道も止まっておりトイレは使用不能であった。

     

    リンク

    福岡JMAT ①:一日目 出発~引き継ぎ~被災地視察~ミーティング~宿泊地

    福岡JMAT ②:二日目 8か所の避難所巡廻~ミーティング、地震遭遇~宿泊地

    福岡JMAT ③:三日目 9か所の避難所巡廻、地震遭遇